出典: アキュームレーター [外語] accumulator 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2014/05/13,URL: https://www.wdic.org/ 累算器、および累算用のレジスター。英発音に近い「アキューミュレーター」や、音引きを略して「アキュムレータ」とも書かれる。 [概要] 古い設計のマイクロプロセッサーでは、演算結果を累積するためのレジスターは一つしか提供されないことが多く、このような目的で使う唯一のレジスターがアキュームレーターと呼ばれた。しかし現在においては、演算可能なレジスターが単一などというものはほぼ無く、ゆえにこの意味でのアキュームレーターは、古語ないし死語と言える。 アキュームレーター(accumulator)ということから、初期のプロセッサーではAレジスターなど、Aと名のついたレジスターとして提供されることが多かった。 [特徴] レジスターの方式 レジスターの使われ方は、次の3種類がある。 ● アキュームレーターマシン (アキュームレーター方式) ● レジスターマシン (汎用レジスター方式) ● スタックマシン 近年はレジスターマシンが主流だが、初期には演算は単一のレジスターに制限されたアキュームレーターマシンが一般的だった。 [アキュームレーターマシン] 演算器(ALU)に対応付けられた演算レジスターが、単一のACC(アキュームレーター)レジスターであるような設計を、アキュームレーターマシンという。 古くは、演算はアキュームレーターと他のレジスターやメモリーとの間で行なわれており、演算結果は常にアキュームレーターに返されていた。 こういった設計では、値が返されるのがアキュームレーターと決まっているため、アセンブリ言語においてもアキュームレーターをいちいち記載しないものが多かった。 ADD regこの場合、A ← A + reg という演算となり、暗黙のうちにアキュームレーターが使われた。 x86 現在のパーソナルコンピューター向けプロセッサーの標準であるx86は、8ビットマイクロプロセッサーだった8080の思想を受け継いでいるため、古式なアキュームレーターという概念が垣間見られる。 8080のAレジスターは、8086では16ビットのAXレジスター(32ビットではEAX、64ビットではRAX)となり、一部の演算命令ではソースまたはデスティネーションがAXやDXなどで固定されているものがあった。現在は命令が拡張されており、x86であってもたいていのレジスターで演算が可能になっている。 |
出典: 積和演算 [外語] MAC: Multiply and ACcumulation 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2014/11/27,URL: https://www.wdic.org/ 積の和を求める演算。つまり、二つの値の積を累算中の値に加算する演算 [概要] DSPの得意とする処理であり、かつ信号処理では必須の処理となる。積和演算は、式で書くと、次のようになる。 a ← b + (c × d) このままだと4項演算だが、aとbを同じにして3項演算とし、累算に特化した実装も多い。 a ← a + (b × c) 極めて単純明快な演算ではあるが、この演算速度が信号処理における最大の律速要因になり、信号処理速度そのものを決めてしまうので侮れない(あなどれない)。 この積和演算速度を表わすために、MMACS(メガ積和演算/秒)やGMACS(ギガ積和演算/秒)といった単位も存在するほどである。 従って、全てのDSPには汎用のMPUにはない高速乗算器とともに積和演算器が搭載され、積和演算命令(MAC命令)が用意されている。これにより、ほぼ全てのDSPはこの演算を1命令サイクルで実行するのである。 [特徴] 呼称 一般的には、Multiply and ACcumulationからMACという。 Intelは、Fused Multiply addからFMAと呼んでいる。 DSPの場合 DSPでも様々な実装があり、それぞれに特徴がある。一般的には、ニーモニックで次のように書くことが多いようではある。 MAC A,B,SUM AとBが二つの値で、SUMが累算する積和演算レジスターである。 積和演算レジスターが一つしかないようなDSPの場合は、これは省略されることになるだろう。 SuperHの場合 SuperHなど汎用のプロセッサーでも、積和演算器が組み込まれた製品がある。こういったプロセッサーでは汎用レジスターよりも大きな値を扱う必要があるため、積和演算レジスターとして、専用にレジスターを持っていることが多い。 SuperHの場合は2つの汎用レジスターで16または32ビットの値二つのポインターを示して使う。積和演算レジスターは一つしかないので指定する必要が無い。例えば次のようになる。 MAC.L @R0+,@R1+ 演算終了後、レジスターは自動で増分される。このため、メモリー上に連続してデータを用意しておけば、連続して命令を実行することができる。 SuperHの場合は汎用レジスターが32ビット、積和演算レジスターは64ビットなので、積和演算レジスターの上位・下位32ビットごとに分けて、汎用レジスターやメモリーに複写する命令が存在する。 ARMの場合 ARMも汎用のプロセッサーだが、組み込みを想定していることから、積和演算回路を搭載している。しかもARMの場合、4項演算が可能など、非常に贅沢な作りとなっている。 MLA{ UMLAL{ SMLAL{ MLAは、32ビットで演算し、結果を32ビットで返す命令である。UMLALとSMLALは、32ビット× 32ビットを実行し64ビットの整数に加算した結果を返す命令で、うちUは無符号、Sは符号付きを意味する。Sは、Rm, Rs, Rdの3値全てが符号ありとして扱われる。 ちなみにARMv6T2以降には、MLSという積差演算の命令が搭載された。 |
出典: アキュムレータ (コンピュータ) 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2017年3月11日 (土) 16:35 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ アキュムレータ(英: Accumulator)は、コンピュータにおいて、演算装置による演算結果を累積する、すなわち総和を得るといったような計算に使うレジスタや変数のことである。現代のプロセッサでもx86プロセッサにはアキュムレータマシン(後述)風のところがある。AXレジスタ(8ビットプロセッサ時代のAレジスタに由来する。32ビットではEAX)がアキュムレータ的に扱われており、初期の命令セットでは一部の命令(代表的なものはMULとDIV)のソースの一方およびデスティネーションが暗黙でAXとDXに固定されている、AXを対象とする命令には短縮形がある、などのように、AXレジスタにアキュムレータとしての特別扱いがあった。・・・ |
出典: 積和演算 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2017年9月24日 (日) 16:08 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ 積和演算 (せきわえんざん)は、演算のひとつで、積の和を求める、つまり乗算の結果を順次加算する演算である。乗累算 (じょうるいざん) とも言う。MAD/MADD (multiply-add) もしくは MAC/MACC (multiply-accumulate) と呼ばれることもある。デジタル信号処理において非常に多く使用される演算で、デジタルシグナルプロセッサでは積和算命令を1クロックで実行できる専用の演算回路を持つ。また、1秒間にこの積和演算を何回実行できるか、がプロセッサの性能指標として使われることもある。 [融合積和演算] 積和の演算式において、途中の積算 {\displaystyle b\times c} b\times cの演算結果を浮動小数点数の値としていったん丸めてしまうと、最終演算結果に大きな誤差が発生する。途中の積算を丸めず、積和演算を1命令で行なってしまうことで、最終演算結果の誤差を小さくするのが融合積和演算 (fused multiply-add, FMA/FMAD) である。FMAはIEEE 754規格の2008年改訂版 (IEEE 754-2008) で標準化されている。 ・・・ |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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Accumulator | データレジスター |
əkjúmjulèitər | レジスタ |
アキュムレゥイダゥー | ・ |
アキュ́ムレゥ̀イダゥー | accumulate |
アキュムレーター | əkjúːmjulèit |
アキュ́ムレーター | アキュミュレイツ |
[名詞] | アキュ́ミュレ̀イツ |
積算器 | アキュミュレイトゥ |
せきさんき | アキュミュレート |
累算器 | アキュ́ミュレ̀ート |
るいさんき | [他動詞] |
累算用レジスター | 累算する |
るいさんよう レジスター | 積み重ねる |
・ | 累積する |
蓄積者 | 集積する |
ちくせきしゃ | [自動詞] |
蓄財家 | 堆積する |
ちくざいか | 積もる |
蓄電池 | |
ちくでんち | |
二次電池 | |
にじでんち | |
・ | |
更新日:2024年 4月 8日 |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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MAC | マ́ルチプラ̀イ |
Multiply and Accumulation | [他動詞] |
mʌ́ltəplài ənd əkjùːmjuléiʃən | ~を掛ける |
モァルゥトゥプラゥイ エァンドゥ アキュムレゥイシュン | ~を拡大させる |
モァルゥトゥプラゥイ・エァンドゥ・アキュムレゥイシュン | [自動詞] |
モァ́ルゥトゥプラゥ̀イ・エァンドゥ・アキュ̀ムレゥ́イシュン | 掛ける |
マルチプライ アンド アキュミュレーション | かける |
マルチプライ・アンド・アキュミュレーション | 掛け算をする |
マ́ルチプラ̀イ・アンド・アキュ̀ミュレーション | ・ |
MACC | accumulate |
multiply-accumulate | əkjúːmjulèit |
マルチプライ・アキュミュレート | アキュミュレゥイツ |
エム エイ シー | アキュ́ミュレゥ̀イツ |
エム エー シー | アキュミュレート |
積和演算 | アキュ́ミュレ̀ート |
せきわえんざん | [他動詞] |
乗累算 | 累算する |
じょうるいざん | るいさんする |
MAD | 積み重ねる |
MADD | 累積する |
multiply-add | 集積する |
mʌ́ltəplài ǽd | [自動詞] |
モァルゥトゥプラゥイ・アェッドゥ | 堆積する |
マルチプライ・アッド | 積もる |
・ | ・ |
Accumulation | |
əkjùːmjuléiʃən | |
【 以下関連語 】 | アキュムレゥイシュン |
FMA | アキュ̀ムレゥ́イシュン |
fjuːzd mʌ́ltəplài ǽd | アキュミュレーション |
フィユーズトゥ・モァルゥトゥプラゥイ・アェッドゥ | アキュ̀ミュレーション |
フューズド・マルチプライ・アッド | [名詞] |
融合積和演算 | 累積 |
ゆうごうせきわえんざん | るいせき |
・ | 蓄積 |
Multiply | ちくせき |
mʌ́ltəplài | |
モァルゥトゥプラゥイ | |
モァ́ルゥトゥプラゥ̀イ | |
マルチプライ | |
更新日:2024年 4月 1日 |