出典: QAM 『通信用語の基礎知識』 更新年月日 2013/05/23,URL: https://www.wdic.org/ 直角位相振幅変調方式。振幅変調(AM)と位相変調(PM)を組み合わせたような変調方式で、振幅と位相の両方の要素を変化させることで複数の情報を一度に伝達できる変調方式。 アナログ変調としてもディジタル変調としても利用される。 [概要] 具体的な実現方法は、互いに位相がπ/2(90°)ずれた二つの正弦波(それぞれI、Qと呼ばれる)を個別に振幅変調して合成する。すると、三角関数の合成公式により、合成された正弦波はI波、Q波の大きさに従って振幅と位相が変化する。 [理論] 三角関数の合成公式 ちなみに三角関数の合成公式とは、次のようなものである(恐らく高校で学ぶ)。 a×cos(x)+b×sin(x)=√(a×a+b×b)×sin(x+p) sin(p)=a÷√(a×a+b×b) cos(p)=b÷√(a×a+b×b) ここでa×cos(x)がI、b×sin(x)がQに相当するので、式から振幅と位相が変化するのがわかる(cosとsinでは位相がπ/2(90°)ずれているため)。 信号星座図 また、各符号に割り当てられた振幅/位相を、2次元平面の極座標上の点として表わした図を信号星座図という。 [特徴] ディジタル変調 ディジタル変調としては、例えば振幅/位相がそれぞれ異なる16種類の正弦波を用意し、ディジタル信号に応じてこれらの正弦波を送出すれば一度に16の状態、つまり4ビットの情報を伝送できる。これを16QAMという。 次のようなものが、高速モデムやデータ通信回線、無線通信などに採用されている。 ● 2QAM ‐ 1ビット/シンボル ● 4QAM ‐ 2ビット/シンボル ● 8QAM ‐ 3ビット/シンボル ● 16QAM ‐ 4ビット/シンボル ● 32QAM ‐ 5ビット/シンボル ● 64QAM ‐ 6ビット/シンボル ● 128QAM ‐ 7ビット/シンボル ● 256QAM ‐ 8ビット/シンボル ● 512QAM ‐ 9ビット/シンボル ● 1024QAM ‐ 10ビット/シンボル ● 2048QAM ‐ 11ビット/シンボル ● 4096QAM ‐ 12ビット/シンボル ● 8192QAM ‐ 13ビット/シンボル ● 16384QAM ‐ 14ビット/シンボル ● 32768QAM ‐ 15ビット/シンボル 位相(PM)だけなら、2QAMはBPSK、4QAMはQPSK、8QAMは8PSKに各々対応すると言える。なお、状態数が増えるとノイズの影響を受けやすくなるので、何らかの誤り訂正機構が必須となる。 アナログ変調 アナログ変調としての例では、NTSCビデオ信号の色度信号伝送やAMステレオ放送の左右信号の重畳伝送などがある。 また放送の物理層において、例えばCATVなどでは、ケーブルモデムはQAMなどのディジタル変調方式を採用してRF区間(ダウンストリーム)において最大30〜42Mbps程度の通信速度を実現している。 |
出典: 直角位相振幅変調 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版(Wikipedia)』 最終更新 2018年5月4日 (金) 14:11 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/ 直角位相振幅変調(ちょっかくいそうしんぷくへんちょう、英: quadrature amplitude modulation : QAM)は、互いに独立な2つの搬送波(すなわち同相(in-phase)搬送波及び直角位相(quadrature)搬送波)の振幅を変更・調整することによってデータを伝達する変調方式である。これらの2つの搬送波(通常はシヌソイド)は、90°により互いに直角位相関係にある。総務省をはじめとして、直交振幅変調(ちょっこうしんぷくへんちょう)と呼ばれる。 [概要] ほかの変調方式同様、QAM変調も、データ信号に応じて搬送波信号または搬送波(通常、シヌソイド)の何らかの局面を変更する事によって、データを伝達する。 QAM変調の場合、データ信号を表すために、直角位相関係にある2つの搬送波の振幅が変わる。QAM変調は、振幅偏移変調(ASK)と位相偏移変調(PSK)の組み合わせである振幅位相偏移変調(APSK)の一つである。 ・・・ |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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DQPSK | Differential |
díː kjú: píː és kéi | dìfərénʃəl |
ディー キュー ピー エス ケイ | ディファゥレンシャルゥ |
ディ́ー キュ́ー ピ́ー エ́ス ケ́イ | ディ̀ファゥレ́ンシャルゥ |
ディー キュー ピー エス ケー | ディファレンシャル |
ディ́ー キュ́ー ピ́ー エ́ス ケ́ー | ディ̀ファレ́ンシャル |
・ | [名詞] |
Differential Quadrature Phase Shift Keying | 差 |
dìfərénʃəl kwɔ́drətʃə féiz ʃɪ́ft kíːiŋ | 差異 |
ディファゥレンシャルゥ クゥアドゥラチャー フェーィズ シィェフトゥ キーイング | 違い |
ディファゥレンシャルゥ・クゥアドゥラチャー・フェーィズ・シィェフトゥ・キーイング | 微分 |
ディ̀ファゥレ́ンシャルゥ・クゥア́ドゥラチャー・フェ́ーィズ・シィ́フトゥ・キ́ーイング | 差動 |
ディファレンシャル クワドゥラチャー フェーズ シフト キーイング | 差動装置 |
ディファレンシャル・クワドゥラチャー・フェーズ・シフト・キーイング | [形容詞] |
ディ̀ファレ́ンシャル・クワ́ドゥラチャー・フェ́ーズ・シ́フト・キ́ーイング | 微分の |
差動四相位相偏移変調 | ・ |
さどう よんそう いそう へんい へんちょう | Quadrature |
・ | kwɔ́drətʃə |
クゥアドゥラチャー | |
クゥア́ドゥラチャー | |
クワドゥラチャー | |
クワ́ドゥラチャー | |
[名詞] | |
直交 | |
直角位相 | |
・ | |
Keying | |
kíːiŋ | |
キーイング | |
キ́ーイング | |
[名詞] | |
暗号化 | |
あんごうか | |
変調 | |
へんちょう | |
打鍵 | |
符号化すること | |
キー入力 | |
更新日:2025年 4月 4日 |
同義語・類義語 | 関連語・その他 |
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QAM | ・ |
kjú: éi ém | 64QAM |
キュー エイ エィム | 64 Quadrature Amplitude Modulation |
キュ́ー エ́イ エィ́ム | siksti fóur kwɑ́drətʃər ǽmplitùːd mɑ̀dʒəléiʃən |
キュー エイ エム | シェィクスティー フォァ クゥアドゥラチャー アェンプリィトュードゥ モァジュレゥイシュョン |
キュ́ー エ́ー エ́ム | シェィクスティー フォァ・クゥアドゥラチャー・アェンプリィトュードゥ・モァジュレゥイシュョン |
・ | シェィクスティー フォ́ァ・クゥア́ドゥラチャー・アェ́ンプリィトュ̀ードゥ・モァ̀ジュレゥ́イシュョン |
Quadrature Amplitude Modulation | シクスティー フォー クワドゥラチャー アンプリチュード モジュレーション |
kwɑ́drətʃər ǽmplitùːd mɑ̀dʒəléiʃən | シクスティー フォー・クワドゥラチャー・アンプリチュード・モジュレーション |
クゥアドゥラチャー アェンプリィトュードゥ モァジュレゥイシュョン | シクスティー フォ́ー・クワ́ドゥラチャー・ア́ンプリチュ̀ード・モ̀ジュレ́ーション |
クゥアドゥラチャー・アェンプリィトュードゥ・モァジュレゥイシュョン | 64値 quadrature amplitude moduration |
クゥア́ドゥラチャー・アェ́ンプリィトュ̀ードゥ・モァ̀ジュレゥ́イシュョン | ・ |
クワドゥラチャー アンプリチュード モジュレーション | 256QAM |
クワドゥラチャー・アンプリチュード・モジュレーション | 256 Quadrature Amplitude Modulation |
クワ́ドゥラチャー・ア́ンプリチュ̀ード・モ̀ジュレ́ーション | túː hʌ́ndrəd fìfti síks kwɑ́drətʃər ǽmplitùːd mɑ̀dʒəléiʃən |
直交振幅変調 | トゥー ハゥンドゥレッドゥ フィフティ シィックス クゥアドゥラチャー アェンプリィトュードゥ モァジュレゥイシュョン |
ちょっこう しんぷく へんちょう | トゥー ハゥンドゥレッドゥ フィフティ シィックス・クゥアドゥラチャー・アェンプリィトュードゥ・モァジュレゥイシュョン |
・ | トゥー ハゥ́ンドゥレッドゥ フィフティ シィックス・クゥア́ドゥラチャー・アェ́ンプリィトュ̀ードゥ・モァ̀ジュレゥ́イシュョン |
Quadrature Amplitude Phase Modulation | ツー ハンドレッド フィフティ シクス クワドゥラチャー アンプリチュード モジュレーション |
kwɑ́drətʃər ǽmplitùːd feiz mɑ̀dʒəléiʃən | ツー ハンドレッド フィフティ シクス・クワドゥラチャー・アンプリチュード・モジュレーション |
クゥアドゥラチャー アェンプリィトュードゥ フェーィズ モァジュレゥイシュョン | ツー ハ́ンドレッド フィフティ シクス・クワ́ドゥラチャー・ア́ンプリチュ̀ード・モ̀ジュレ́ーション |
クゥアドゥラチャー・アェンプリィトュードゥ・フェーィズ・モァジュレゥイシュョン | にひゃくごじゅうろく キュー エイ エム |
クゥア́ドゥラチャー・アェ́ンプリィトュ̀ードゥ・フェ́ーィズ・モァ̀ジュレゥ́イシュョン | ・ |
クワドゥラチャー アンプリチュード フェーズ モジュレーション | 【 以下関連語 】 |
クワドゥラチャー・アンプリチュード・フェーズ・モジュレーション | 多値直交振幅変調 |
クワ́ドゥラチャー・ア́ンプリチュ̀ード・フェ́ーズ・モ̀ジュレ́ーション | APSK変調 |
直角位相振幅変調 | 高速デジタル通信 |
ちょっかく いそう しんぷく へんちょう | デジタル変調方式 |
カム | ・ |
クアム | Quadrature |
・ | kwɑ́drətʃər |
16QAM | クゥアドゥラチャー |
sixteen Quadrature Amplitude Modulation | クゥア́ドゥラチャー |
sìkstíːn kwɑ́drətʃər ǽmplitùːd mɑ̀dʒəléiʃən | クワドゥラチャー |
シェィックスティーン クゥアドゥラチャー アェンプリィトュードゥ モァジュレゥイシュョン | クワ́ドゥラチャー |
シェィックスティーン・クゥアドゥラチャー・アェンプリィトュードゥ・モァジュレゥイシュョン | [名詞] |
シェィッ̀クスティ́ーン・クゥア́ドゥラチャー・アェ́ンプリィトュ̀ードゥ・モァ̀ジュレゥ́イシュョン | 直交 |
シクスティーン クワドゥラチャー アンプリチュード モジュレーション | ちょっこう |
シクスティーン・クワドゥラチャー アンプリチュード モジュレーション | 直角位相 |
シ̀クスティ́ーン・クワ́ドゥラチャー・ア́ンプリチュ̀ード・モ̀ジュレ́ーション | ちょっこう いそう |
更新日:2025年 3月 9日 |